いかがな毎日

いつもと違う日の日記をつらつら書くよ。買ったものとか、食べたもの、好きなことを。

新たな憧れを見つけた。

これまでエッセイという言葉は知っているが実際はどんなものなのかは知らなかった。それを学ぶために何か人気の作品を買ってそれを川沿いにて読むという贅沢な時間を過ごそうと企んでいた。しかし案の定前日に少し夜更かしをしてしまった。朝八時頃に起きようと思っていたが睡眠時間を確保するために八時半に、そこから頭を起こすのに三十分かかり結局いつもと変わらないような時間になってしまった。外の天気も梅雨ということもあり、雨こそ降ってはいないが雲に空は隠されていた。その割に暑い、湿度も高いときている。余計行く気が失せてしまった。
 
 昼になる前に出かけようとしたが、中学時代の友人から電話がかかってきた。最初は間違って電話をかけたのかと思ったがそうじゃないらしい。内容は実家の横が駐車場になる前は何だったかということだった。電話越しに他の中学時代の友人の声も聞こえる。大した内容でもなかったし、その場で答えが出ればかかってくることもなかったが久しぶりに声を聴くことができたのでよしとする。また今度釣りとかを行こうといわれたが今回は社交辞令と思わず少し楽しみにしておく。もし出会っても昔のように話せるだろうか。昔のように戻れるだろうか。
 
 川に行くのは天気のいい日にしようと決め、とりあえず本を買うために近くの古本屋へ向かうことにした。しかし、ネットでおすすめとされていたものが見つからない。人気だからか品ぞろえが悪いのか。おそらく出版してしばらくしているからどうせ古本であるだろうという失礼な気持ちで来たからだろう。ちらっと漫画を見ようかと思ったが一度読んでしまうと今日の目的を達成できずに日が落ちてしまうのでぐっと我慢した。
 
 ちょうどとなりにある総合施設に大きな本屋さんがあるのでそこで探すことにした。普段はあまり活字の本を読まないので探すのに苦労したが無事気になっていた本を購入できた。購入してから気づいたが少し前に芥川賞を取った人であった。学生時代の頃文庫本が出版されて大量に並べた記憶がある。
 
 湖(うみ)沿いのベンチで読むことにした。暑さも風が吹いていて紛らしてくれたので気持ちよく読めそうだ。楽器を練習する人もいて何か一人で楽しむにはいい場所である。一つの作品は数ページのほどであるがそれでも筆者のことがよく伝わってきた。自分にはない価値観を体験して楽しんだり、共感できる部分に喜ぶ。これまで自分の過去のことをあんまり考えたことがなかったが、自分の小さなころを思い出して懐かしめた。
 
 自分もこんな風に自分の気持ちを、自分の脳内をさらけ出してみたい。まだまだ今の文章では「エッセイ」のタグをつけるのは失礼かもしれない。ただの「日記」でしかないかもしれない。けれど憧れを持つことができた。風でぼさぼさになった髪で、同じフレーズを繰り返すサックスを耳にしながら、そんなことを考えた。